干渉今度は、平面上で2つの波源からの波が重なり合うときを考えます。
2つの波源が同じように振動しています。(同位相という)
2つの波が重なって、強め合う所と、弱め合うところができます。
このような現象を干渉といいます。
時間を追って見てみましょう。
☆
腹線2つの波源S1,S2から出た波が、最初に出会うのは
S1とS2を結ぶ直線上です。
この直線上では、全く同じ波が反対方向に進むので、定常波ができます。
腹と節が交互に1/4波長ごとに現れます。
ここにできた1つの腹(図の
●)に注目して、たどりましょう。
この腹は、S1から1波長目の山と、S2から1波長目の山が出合ってできた2倍の山です。
左図を下にたどってください。
この2倍の山の点は、1周期、2周期、3周期と元の波が外に拡がっていくので、
この
●もだんだん外側に拡がっていきます。
S1S2上では、1点ですが外側では2点で交わりますので、2方に拡がります。
この点が進んでいく赤線を腹線といいます。
この
●のすぐ後ろには、
谷と谷が重なった2倍の谷が来ているのがわかりますか。
この腹線に沿って、2倍の山と2倍の谷が、次々に進んでいくのです。
ですから、腹線上の点は、強め合って激しく振動する点です。
またこの1つの線上の点は、どこでもS1とS2からの距離差が同じ・・1波長です。
図の波の干渉では、腹は5個できますが、中央の腹線が距離差のない腹線で、
左へ行くとS1の方が、1波長短い腹線、2波長短い腹線。
右へ行くとS1の方が、1波長長い腹線、2波長長い腹線です。
この平面波では、S1とS2の距離が3波長であるため、
波源の両端にも腹線ができます。
☆
節線次に、S1S2上にできた節をたどってみましょう。
右図の
●は、S1から1.5波長の谷と
S2から2波長の山が出合ってできた節です。
右図を下にたどってください。
時間の経過とともに、この谷線と山線は外側に拡がっていくので、
この節
●も外側に拡がっていきます。
この線を節線といいます。
節線は、次々と波が打ち消しあって、ほとんど振動しない点の集まりです。
この平面波では、節が6こあるので、節線も6本あります。
左側の節線は、S1からの距離が、それぞれ1/2波長,3/2波長、5/2波長だけ短い節線。
右側の節線は、S1からの距離が、それぞれ1/2波長,3/2波長、5/2波長だけ長い節線です。
腹線と節線の全体像は下図のようになります。
上で見たように、
2つの波源S1、S2が同位相・・・同じ振動をする・・・のときは、
S1S2上の中央が腹になります。
S1S2上で、腹5個、節6個なので、腹線5本(+波源の両端2本)、節線6本です。
ところが、2つの波源が逆位相・・・変位が反対の振動をする・・・のときは、
中央で山と谷が出合うので、節になります。
S1S2上で腹と節の位置が逆転するので、腹線と節線も逆転します。
ですから、腹線6本、節線5本(+波源の両端2本)です。
節線や腹線は何本か?
という問題では、波源を結んだ線上に、腹や節がいくつあるかがわかればいいのです。・・簡単
また、平面上のある点が節線上の点(弱めあって振動しない点)なのか、
腹線上の点(弱め合って振動しない点)なのか判断するには・・・波面を書く必要はありません。
上で見たように
2つの波源からの距離差が波長の0,1,2・・・整数倍だと腹線上の点です。
2つの波源からの距離差が波長の整数倍+半波長だと節線上の点です。
水面波の干渉をしっかりわかっている人は、皆無と言ってもいいくらいです。
センターにも、2次入試にも出ます。
よーーーく、図を見てください。