教科書や参考書で、熱力学第一法則として
「Q=⊿U+W」と書いてあるものと、「⊿U=Q+W」と書いてあるものがあります。
どっちなの??
どちらも熱力学第一法則です。
でも・・・・
Q=⊿U+W を変形すると⊿U=Q-Wとなって、符号があいませんね。
両式では、Wの意味が違うのです。
「Q=・・」の式のWは、『
気体がした仕事』の意味で、気体が膨張したときを正としています。
一方
「⊿U=・・」の式のWは、『
気体がされた仕事』の意味で、気体が圧縮されたときを正としています。
「Q=・・」の式のWはW(out)、「⊿U=・・」の式のWはW(in)として、区別してください。
ですから、W(out)=-W(in)となり、両式は、同じ式です。
では、どうして2つの式があるのでしょう?
2つの式は、少し視点が違うのです。
「Q=⊿U+W(out)」は、
『気体が吸収した熱は、気体の内部エネルギーの増加(温度上昇)と気体のする仕事(膨張)に使われる』と、熱の使い道を言っています。
「⊿U=Q+W(in)」は、
『気体の内部エネルギーを増加させる(温度を上げる)には、熱を与えるか、気体に仕事(圧縮)をすれはよい』
と、内部エネルギーの増やし方を言っています。
どちらの式を使っても良いのですが、意味を考えて使うことと、
符号には、十分注意してください。
ちなみに、熱力学第一法則は、気体変化の
エネルギー保存則 を言っていますね。