高3の授業で先日、トムソンの実験(ブラウン管の原理)をやりましたが、
良い機会なので、テレビのしくみの話を。
身近なテレビのしくみを知っているでしょうか。
プラズマとか液晶とか聞いたことはあるけれど・・・という人のために。
テレビの画面・・・光の三原色
テレビの画面は、拡大してみると、数十万個の赤、緑、青の光の粒(ドット)の集まりです。
この赤、緑、青の光の3原色の組合せと明るさの調節によって、様々な色ができ、集まって、像として見えるのです。
この3原色をいかに光らせるかが、テレビの種類によって違います。
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奥行きの深いテレビです。ブラウン管は、ブラウンの発明した真空管。
後方の電子銃から打ち出された電子(電子ビーム)が、偏向ヨーク(磁界)によって、曲げられ、
蛍光面(画面)にあたり、輝きます。
放送局ではテレビカメラで撮影した画像を525本の線にして、これを電気信号に直して
送ります。これをアンテナで受けて、この電気信号の強弱を、電子ビームの強弱にし、
蛍光面の明るさの濃淡として、像を映し出すのです。
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液晶とは、液体の結晶体のこと。
液晶は、液体でありながら、細長い結晶が一定の方向にならんでいます。
電圧をかけると、液晶分子はいっせいに向きを変え、それまでは通していた光を
通さなくなります。電圧の大きさによって、どれくらいの光を通すか調節できるのです。
すなわち、液晶が光のシャッターor絞りの役割をします。
実際は、図にように、液晶の背面から光を当て、
液晶の各位置(ドット)での電圧を制御して、透過する光の量を変え、
その光がカラーフィルターを光らせ、集まって像になります。
ブラウン管テレビに比べて、薄くできますが、斜めからは像が見えにくいことあり。
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プラズマというのは、気体原子が電離して、高エネルギー状態になったもので、
元のエネルギー状態に戻るとき、紫外線を出します。
物理Ⅰで習った蛍光灯の発光のしくみを覚えていますか。
蛍光灯の中の水銀に、陰極から出た電子が衝突すると、水銀はプラズマ状態になり、
元にもどるとき、紫外線を出します。この紫外線が蛍光灯の蛍光面に当たって、
光が出るのです。
プラズマテレビは、画面の中に300万個もの小さな蛍光灯があり、
どの蛍光灯を点灯させるか制御して像をつくっていると考えればよいのです。
この小さな蛍光灯をプラズマセルとよびます。
一つのプラズマセルは、、それぞれ赤、緑、青の蛍光板で囲まれ、
中にはキセノンやネオンガスが入っています。
電極によってセルに放電がおこると、中のガスがプラズマ状態になり、紫外線が発生し、
蛍光版にあたり、それぞれの色の光を出し、集まって像となります。
プラズマテレビは、像が鮮明で、薄く大型にすることができますが、消費電力が大きいのが難点です。
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☆★ひとこと★☆
身近なものでも、しくみを知らないものがたくさんありますね。
ここまでのテレビを作るのに、どれほどの技術者の知恵と苦労があったことか。。。
テレビにしろ、携帯にしろ、パソコンにしろ、もう生活の中には無くてはならない電気機器。
しくみも何も知らず、当然のように使っています。
ここまで物理を学んできたのなら、もうかなりのことは、理解できるようになっています。
『そーか、こうなってるんだ!』と思えるはず。。。
★お薦めの本
「図解でわかる液晶のしくみ」 白鳥 敬 ぱる出版 1400円
私が持っていますので、興味のある人は、借りて読んでみてください。
平易でどんどん読めます。